女學生日記 四十五/TAT
 
しではあるが賣出廣告
眼にふれるすべてが慌しい歳末風景である
柱暦の紙うすく
わづかの頁のこしつゝ
今年も暮るるこの月よ
昭和十四年と云ふ日がもう何日
指折かぞへる幼き子の顔
自分も小さい時はあんなにお正月を待つたものだと思つてなつかしかつた



十二月二十七日 水曜
天氣 晴
起床 七時二分
就床 八時三〇分

洞戸の吉野和子さんにお手紙を出した
明日は家の餅つきであるからお米を洗つたり臼や杵を揃へたりとてもその準備に忙しかつた



十二月二十八日 木曜
天氣 晴
起床 四時〇分
就床 九時〇分

朝ペツタン??の杵の音に目がさめた
兄さ
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