屋根よ、安眠せよ/ゼッケン
 
あれば人間は死ねるとでも?
おれは論理的に答える
おれが安心して眠るためだ
それから、おれは地面に横たわってみせる
精密に計算された爆撃はおれの身体に危険が及ばないように配慮されている
そのことに気づいた人間たちがおれの周りに群がり集う
人々は仰臥したままのおれを自分たちの頭上に担ぎ上げる
両腕をできる限り左右に開き、おれは人々に身を委ねる
おれは人々の盾となり、安眠を約束する屋根となる
都市が破壊されるたびにおれは憎悪される
おれは人々が死ぬべき理由ではない、憎悪は人々を生かす理由だった
おれ自身には死ぬ理由も生きる理由もない、自由だけがある
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