裏街道の胎仔/あらい
 
、あと一歩のところで

遭難した過去を水面に浮き上がらせる
翡翠が隙間なく湖岸に迫っているのを
けだるさがそのままの形で口に頬った

しもやけに/膨れたモノ/キレがよく/上滑りする

ノスタルジアの瞳孔が洞穴を童謡に目覚めるような
均衡の取れない夕焼けまで後少しといった息を整え
孤独を募らせる風景は新生児を取り違える
肥厚した爪、潔癖症の脊椎、鱗のようなものが栄える

行水、束縛を解かれた感じで身を窶す
音もなく腹の中にいたものが、啼いていたのか 
気づいても 雨は
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