外側の音/nia
非連続の存在であるということは単なる思い込みであった
咳き込むように喉を鳴らす音が妙に良く響いていた
近い音と遠くから鳴っている音の区別がつかない
たばこの充満した室内で怒りを露わにする老女の瞳は何処を向いているの判然としない
口を動かし声を出す前に自分の声が頭に響いて辞めてしまう
音楽は解体され一つ一つの楽器は繋がること無くただ音として鳴っている
メロディは外側ではなく内側で時折聞こえているような気がする
外は雨が強く降った
遠雷は一度聞こえたきりだ
小さな女の子の顔を真正面から覗き込む
首から下は風船のようにだらしなく膨らんでいる
女は饒舌に話だしたが 次第に話すのを止めてしまった
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