バラス山/ちぇりこ。
西陽の傾く校庭で子どもたちが
次々と爆発霧散してゆく
明くる日には
何も無かったかのような顔で
それぞれの席に着くので
教室にはいつもきな臭い
硝煙の臭いが充満していた
(働く手を知っている
(大きくて黒くて
(汚い手を知っている
学校の裏手は
いつでも夏への入口
白い砂利道が
バラス山と名付けられた
採石場の跡地まで続いてて
ぼくの産まれるずっと前に
そこは廃山になったんだけど
腐れかけの果実が
皮をべろんと剥かれたような
地肌を晒す山の斜面は
だらしなく放置され
ひょろ長い鉄塔は
ぽつんと置かれる救世主みたいで
その足元に横たわる
コンク
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