エレキギターとの別れ/番田 
 
なこともあって、いつの間にか僕はDTMもやらなくなってしまったが、そのようなソフトがなかったらそのような境地自体にたどり着かなかったと思うと考えさせられるものがあった。特にドラム入力は楽しく、ネットの譜面を参考にしながらいつもこだわって作っていたものだった。


思うことはもう、特に何も無かった。アパートのゴミ捨て場に時々捨ててあるギターや譜面を見かける時がある。もう、その人が必要とはしなくなったものなのだろう、でも、前のアパートのゴミ捨て場で僕の持っているアコギも、拾ってきたものだった、なぜ人はギターを弾きたくなるのだろう、それをそして手に入れようとしたり、部屋に飾ったりするのだろう。カラオケに行って歌いたくなることがある、冬の乾燥した頃になると、自分のイメージした音階をたどりたくなる、喉を震わせて、でも、特に歌いたい曲も、もう、でも、暇を持て余した仲間もいるわけでもなく、マンガを立ち読みして、家に帰るだけだった。

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