【批評ギルド】『東京少年(皆のウタ)』リョウ/Monk
 


この「東京少年(皆のウタ)」はそういった悩みや葛藤を抱えた子供達の声を
ひとまとめにしている。なので一貫した筋のようなものはないし、列挙されて
いる葛藤も何かからの自由、何かへ抗うといった漠然としたものばかりだ。漠
然としたことに思い悩むのは子供の特権なのだが。素直にいろんなことを書い
てしまったので詩作品としてはぼんやりしてしまった。
あと他の方も書いているが東京少年と書いている効果はあんまりない。東京
じゃなくてもよいというのもあるし、皆の意見を東京だけに代弁させるのも無
理があるかもしれない。

しかしこういう子供の気持ちを代弁するような作品は難しいなと思う。ちょと
だけ書く立場になって考えてみるが、東京少年たちが納得するようなものは書
けそうにないなと思う。東京少年と呼ばれる対象が限られた個人ではなくある
程度一般化された集団だからであって、どうあっても「想像して書いたような
作品」になってしまうと思った。僕も大人なので仕方ないが、だとしたら大人
と子供のギャップを認めたうえで何か書けないだろうかということを考えた。


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