終戦記念日/ホロウ・シカエルボク
 
。口座にはもうしばらく遊んで暮らせるだけの金があった。ということは金が目的で働いているのではないのだ。わたしはケージの中で回し車を回し続けるハムスターのようなものだった。本能のようなものに従ってそれを続けているのだった。だから休まないことは苦ではなかった。わたしは会社に評価され、次第にランクアップしていった。ランクアップすると余計に、わたしが居なければ進まない話が増えた。これは死ぬまで続くだろう。わたしにはもうそれがわかっていた。けれどそれもやはり苦ではなかった。目的の無い人生など考えたくも無かった。自分はそこでそれをし続けるのだ。それがわたしの生きる目的だった。それでなんの問題も無かった―その夢
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