千尋/あらい
 
〈きらめき
/よどめき
/さんざめき〉

預言者ではそぐわない
吹き溜まりとは底なし沼で
遺灰だけを零すと云うだろう

くすぶり続ける核と、脈絡を喪う喧騒に在って
ゆるやかに低下していく執念のようなもの
柔しいかな ここは煩くて適わない
人魚や海蛇の蛇咬の果てに産み出された

――陽と月に思いを馳せるだけ
この無惨な哀(あはれ) 

箱庭の残花、軋轢の鎖ごと、尽きている
信じ宣う天秤のはかりごとに、道行を絞めされ
小さな星の微かな祈りが
プレートは、『わたし』を染み出させる
泡沫は水を分解する過程で

汲(く)み篭(こ)まれたわずかな光を感じ
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