こごえる翅/soft_machine
 
ゆっくり舞っていたい
こまかいぬくもりがいい

別にあなたに
興味はないの
糸をたぐれば
かすかないつわりに欺かれても
ことばの行方は感じてる

どちらかといえば
くらい方が好きよ
あたたかな夕方くらい
練りきれない風が
好き
いつ終わってもいい準備して
肉まんなんかほおばる
学ランにそっと
こごえる次第が

校舎で捺され
ぴかぴかに色はげた
釦にふれて
おし入れで鍬をふるうアイドル
なんて歌うあなたの
赤い耳たぶのふくらみに届け

恥じらう翅で
いつまでも凍みついていたいから
つつ袖のばさないで
欲しいのは
あなたを含むいのちのすべて
針がぶたれ
感情が消えても
痛みだけはこの空にのこる
とび散るにおいや
果てない色が
生と死
そのものだから

そんな怒らないで
やさしく卵をつつんで
かわりばんこに贖えるなら
罪もあなたを
きっと許すわ

わたし達が眠りついたあとの
冬の空が好き


戻る   Point(1)