時の道/st
イチョウの枯葉が
舞い落ちる頃
いつも楽しみに
待っているのは
真っすぐに伸びる
イチョウ並木に現れるという
不思議な不思議な
過去たちがつづく時の道
一枚一枚の枯葉に
閉じ込められて
想い出たちが
ふり積もる
まるで
じゅうたんのように
敷き詰められた
これまで生きた
人生の記憶たち
過去をさかのぼるのは
この道を歩くこと
次から次へと
鮮やかによみがえる
恋や別れ
楽しみや苦しみ
成功や失敗
あの時やこの時の
様々な過去たちに出逢える道
しみじみと
枯葉を手にとりながら
過去をたどるのもいいものだ
戻る 編 削 Point(3)