眠りたいのだけれども/坂本瞳子
 
浅い眠気が長く続く
つまりは一日中眠いわけで
なにをするにも中途半端
気持ちもゆらぐ
身体もゆらぐ
危険きわまりないことに
気づいたりもするけれど
眠気を解消する術などしらず
夜、就寝しようとすると
目が冴えて眠りたいという気持ちはどこかへ飛んで
眠気そのものさえも消え失せてしまったような気がする
だのに翌朝の目覚めは悪く
まだもう少し眠っていたいのにと
その日も一日中眠いわけで
こうして浅い眠気はその日も続く
そして次の日も次の日も
そのまた次の日もこんな感じで
睡眠欲が満たされることは決してないらしい
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