立冬に立腹/
st
遠い遠いシベリアの
極寒の空気をのせて
冬鳥たちがやって来た
街では木枯らしが
木の葉を散らし
フトコロのお札も散らす
裸にされる老木に
わが身を重ね
戦争を
止められなかったツケを噛みしめ
世界中で爆発する
インフレ爆弾に戦々恐々とする日々
必要な物をつくらずに
必要な物を破壊しているのだから
当たり前の自業自得といえど
なんだか無性に腹が立つ
立冬に立腹とは
笑うに笑えない
切ない現実だ
戻る
編
削
Point
(5)