花屋への道/soft_machine
柔らかさから 数えられる
甘くて暗い音色が好き
欠けてゆく 微かに
シンバルに似た月が好きで
砂丘の向こう
足ふみならす鬨の声
青空にぽっちり
あらわれる 黒点が
道にあふれる
金環の芯を塗りはじめ
さきっぽに沁みて
お花屋さんが好き
こんなに湿った 無言
虫の羽音につつまれていると
人を愛することの
苦しさがわかる
何も聞いてくれない
横顔の群が
わかる
衝突する 銀河
笑って見ている
あなたの硝子の 腕が拡がる
だから、かろん と
鐘がなる
ひそひそと交わされて
ことが済むまで 好き
おとなは見ている
世界がどうなる だ
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