ずっとは/やまうちあつし
ずっとは続かない
この音楽も
あのため息も
時に染み込む
風の匂いや
夕焼けの橙
着古したパーカーに
ずっとは続かないのだ
そのいたみも
かの光も
どこにも行けない
ことに気づいた
そしてどこにも
行く必要がないことに
立ち去るまで
あと何億秒
その砂浜の上を
裸足で歩いていく
君が君になる前から
見守っていた人がいる
けれども
星の光が届くころ
その星はもういない
ビニールプールで遊んだことも
病室で黙りこくったことも
ずっとは続かない
だからおはよう
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