冬の夜を歩くうた/秋葉竹
 
  
僕は知らない転ばない
 歩き方とか光る夜
潜った街にはトモシビが
 雪が降るよに積もってる
眠れないから夜をゆく
 気分は上がらずただ歩く
夜の街には堕天使や
 陸の人魚が棲むと聴く
僕は知らない転ばない
 歩き方とかマフラーの
暖かくなる巻き方や
 感謝を伝える言の葉や
泣いてる子どものあやしかた
 夜を歩いてただ風の
眼に染むだけにまかせてる
 僕は知らない正しさや
たとえば嘘のあたたかさ
 僕は知らないだれからも
好かれる笑顔や悲しみを
 こらえて生きる光り方
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