帰路 〜ズッキーニ座流星群のあった日〜/
 
ッキーニ座を越え地球まで飛んできて燃え墜ちたものだから厳密にいうと流星群ではないらしいし、その説明の裏ではズッキーニ座のモデルになったズッキーニは緑色と黄色のどちらなのか議論していた。つまりこの世界線は差別やムダな争いと共依存の関係にあるのだろう。現にそうあらねばならないとでもいうようにバカっぽい人が他人をバカだバカだと声高に貶すのが聞こえてきて、


私は
手のひらにカピついた鱗を爪でこそげるのに夢中な人になった
――お前らのレゾンデートルは何だ。

それから鱗をすっかり向かい風に預け
それっきり
――私の魂が未だ飛べないのは生臭いからに違いない。

この日はそれっきり振り返らなかった。
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