日記、思ったこと/由比良 倖
 
か?

 借りてきた多和田葉子さんの本。読みながら、活字の連なりが今日一日の終わりを織りなしていくような感覚。僕は宇宙にほどけていく。読書ノートだけが、今夜の僕の生存を、無愛想に、きっちりと、そして、永続的に保証してくれるだろう。
 読書ノートを読み返す眼の中に、僕は生存している。他人にとっては、何の価値も無いノートだけど。

 星のように、僕は生きている。意味もなく。けれど光を発しながら。
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