砂漠の行軍(八)/朧月夜
その一方で、ヨランは別のことを考えていた。すなわち、魔法素子について。
(魔法素子が生き物であれば、いつまでも大人しくしているものだろうか。
魔導士(ウィザム)は魔法素子を自由に使う。それは訓練の賜物だ。
……しかし、魔法素子がその軛を離れるとしたら?)
(エランドルはもしや、今度こそ世界を滅ぼそうとしているのでは?)
ヨランはそうも思った。しかし、彼にはまだ人間的な気質が残っているようにも見える。
エランドルは何を望んでいるのだろうか? ライランテ大陸のさらなる混乱だろうか?
が、もしそうであれば彼の思いはすでに達成されたはず……
(エランドルは、いつかエインス
[次のページ]
[グループ]
戻る 編 削 Point(1)