風の中の網膜の疼きを/ホロウ・シカエルボク
 
物事は遠ざかってしまうかもしれない、命の求めるままに生きることは、生涯を賭ける覚悟でなければならない、脳味噌が腐食した連中と、大人ごっこなんかやってる暇はない、自己満足は別のところで消費してくれ、そんなものに関わってる暇なんかない…もう目覚めた気がするから、ねえ、もう目覚めた気がするからさ、これまで引き摺って来たもののことはもう切り離して、新しく飛び込んでくるものを信じて行こうじゃないか、人生はこちらを待ってはくれない、性急な時間の中で必ず、何かを求め、見つけ、その手にしていかなければいけない、そうして内奥に蓄積したものたちが、俺の血を受けてなにかを話し始めるのを、いつでもキャッチ出来るように待っていなければならない、残り時間が多かろうが少なかろうが、生きていられる時間なんてほんの一瞬に過ぎないんだ、その時に吹き抜けた風の尻尾を追い続けるのさ、人生は一瞬の風だ、ギター弾きに聞かなくったってそんなことはとっくにわかってる。


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