「サン」3分/モマリサ公
 
バランスがわるいというだけだ
このことに起因するいじめをうけていることはたしかだが
むしろ積極的に絶望して詩をいくつも書いていた
街をパトロールしてマッピングする
太陽は見えなくなっていたが
まだあたりは青いスケールをたもったままだった
見上げると
しろい光や橙のひかりが壁面に
ともってどれもはずんでいる
「そうそう、いい忘れたんだけど、実はオマエな、死んでんだよ」
「それな、言っとく,一応」
「瀑笑」

生きることに絶望して自殺しようとしている弟は
詩に関しては天才だった
みんなが彼の詩をよみたがった
彼の詩をあまりにもみんながよむので
彼はもう詩という存在になって
みんなという詩になってしまった
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