タイの初日/番田
ッドに置いたまま、そんなことを考えながら僕は出かけた。共同宿なので盗られる危険性はあったが腹が減っていた。高架橋の下にある現地の人が来るような屋台街で、カオマンガイを僕は食べた。それから、赤い、スイカジュースを。日本のように湿ってはいたが、暑苦しさがないのはなぜだろうと運ばれてきたそれを汗だくで飲みながら思っていた。ジュースも肉もフレッシュな味で、驚いた。スラムというわけではないけれど、あのような場所は、日本で言うところの、どのような場所なのだろう。今はもう、失われてしまった昭和のバラックの、街頭テレビの風景を思わせる大量のバイクたちのヘッドライトが、通りには川のように連なっていた。
戻る 編 削 Point(2)