振り返ればそれは真直ぐな道/ホロウ・シカエルボク
 

放熱の先にあるものは静寂ではなく、更なる放熱だった、そのことを知った時俺の心中には、喜びと悲しみが同時に訪れた、おそらくそれが生きてる限り延々と続いていくものなのだと瞬間的に悟ったからだった、昂ぶりと怯えの両方で震えさえした、続くのだ、続いていくのだ、それに手を付け続ける限りは…ならば続けるしかないと思った、それをすることによって何かを得るとか、そういうことではないのだ、行為とはそれ自体に意味が生じるものだ、その中に居る自分が何を感じているのか、それが最も重要なことだ、それがわからないやつは浅ましくなる、存在への刺激、その欲望だけが理由にならなければすべてを履き違えてしまう…その点については俺
[次のページ]
戻る   Point(0)