ない夏/山犬切
 
朝 煙草を吸う朝
コンピューターを開く 血行はながれよく 生政治は正常
けれど無為の情況?
簡単に作ったゆで卵とチリドッグを食べる
食い終えたあとシャーペンをノックしてノートを開いた
今日もエスカレーターは昇り 電子レンジは稼働し
小さな鍋の水の中卵は茹でられ、ビデオの中で犬が躾けられる
プラスチックの緑木が日を浴びる
玄関で靴べらを使い靴をはく
そして漫画喫茶へと向かう俺の背中を風が吹き抜ける
傷ついてないやつなんていないさ、どこまでもいけ というふうに

海がないこの町で閉じこもった熱風が町の樹の間をすり抜け
監獄ロック 町でひれ伏すことを強いる時は過ぎる
雲が二次
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