秋風/
soft_machine
欠けた
風の赤い器
人の形に
ほつれた糸
君はいま、何処にいる
手を伸ばしたら触れられる
忘れ形見を
いつも優しくできたなら
かじかむ蛍光管
この薄いセロファン
色からにおい
雪びかりを吸いまるめ
思わず口ばしった友の名は
夢か霧
欠けてほつれ、淡いしみじかい
君は
いま
何処にいる
秋の町は豊かなのに淋しい
かわく風鈴を見あおぐなみだ
傍らのあたたかい空瓶
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