少し多目に書きました。/妻咲邦香
染み付いた汚れのまんま焼き付ける
下り列車のすれ違う窓
肩の先、触れそうだった距離さえも
可燃不燃で振り分けており
訳もなく爪を切りたくなる夜と
検索窓の白さが嫌い
一度でも壊れたことないおもちゃ見て
羨ましいと思えぬ恋す
見渡せばどれもこれもが今日までの
私が好きで集めてたもの
偽物でいいとの言葉撤回し
さらに撤回、地球よ回れ
いつだって清く正しく割れ物で
大人の恋はして来なかった
拳より大きな鈍器、この身体
柔らかくっておまけに泣き虫
戻る 編 削 Point(1)