少し多目に書きました。/妻咲邦香
 
染み付いた汚れのまんま焼き付ける
下り列車のすれ違う窓


肩の先、触れそうだった距離さえも
可燃不燃で振り分けており


訳もなく爪を切りたくなる夜と
検索窓の白さが嫌い


一度でも壊れたことないおもちゃ見て
羨ましいと思えぬ恋す


見渡せばどれもこれもが今日までの
私が好きで集めてたもの


偽物でいいとの言葉撤回し
さらに撤回、地球よ回れ


いつだって清く正しく割れ物で
大人の恋はして来なかった


拳より大きな鈍器、この身体
柔らかくっておまけに泣き虫

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