ピクニック/妻咲邦香
 
ペンギンカフェみたい
沈みそうな旋律で歩く
たまに目が合う女神のような街に
投げつける豪速球
勿体ない勿体ないって、全部本気だったんだから
罠にかかった小動物、逃がしたりしたら笑われるね
いいよ、不思議な祈り方するから
黙って見てて

手垢まみれ私たち
正体もバレてないし
益々夜更けが待ち遠しくなって
故郷を追う魚のように遠い目
剃刀負け気にして顎をさする
トウモロコシだか何だかの畑と
いつかのお弁当
とんでもない形の玉子焼き
超えてみせる、宣戦布告されたから

たまに目が合う宝石のような牢獄に
風は風
やっぱり風で
尖ったもの無造作に出したままの秋晴れ
二次元に向かう途中の、信号のある所で絡んだ
唯一のチャンス、目を閉じる
まだ青じゃないのに

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