タイムカプセル/山犬切
 
夏の始まりは曇天 灰色の雲がたなびき 川として日常は過ぎ
ランチにはまだまだ早いな 僕は思った
流れ星を探すよりタイムカプセルを埋めよう
そんな僕は 飛行機の乗客で
23歳 透明なはずの身体が少し薄く黒ずんで
この夏は 流れ星を探すよりタイムカプセルを埋めよう 元に戻ることのない髪の長さを測るように

中絶した第七大陸の理想を日の射す橋で振り返る
世界と約束したから 郵便的な運命が僕のもとにもやってきたから
心に刺青を入れて 僕は世界に戻った
そして退屈な朝の電車 人々の虚ろな眸 水の入ったリュックサック 少年は窒息気味で
永遠の3か月がもうすでに始まっている 夏 平和ボケで
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