八月/soft_machine
 
髪を人に揃えさせ
葡萄を蓄えた仏間の
静謐をかき混ぜる
蝉の単旋律
かそけき音色で
奏でるピアノが
桟橋に朽ちるお骨を磨く

 夜をうつくしいな、と思える
 かがやきの残酷

窓にせまる波紋
それはいつしか、海
きみは水着につつまれ
泡に追いつかれ
犬とならび歩む
ひろびろとした文字をつらねる
白と青の行間

 あたたかい想い出が
 真空に蒸発される


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