金射の忘我/あらい
水琴窟がカゼノネと戯れている
白鷺に預かるオパールははじめから砕け散っていたものだからね
口惜しいが泪がそのうち、仕切り内側でそぼ降るであろう
こうして御顔を託されたのだ、
平然とした菊よ、おまえは胸を打つほどに我を忘れる
それを餐(の)まれたとき、如何なる韻模様もえげつない周期も
形を整え、鉛じみた玄関にて交配する 本質を、舞踏を重ねて
いいや〈裂いたのか/咲いたのかな、〉
激しいコントラストを剥き出しに、玻璃の穴にてすぐに、弾けるように
大鏡に奢れるはサザンクロスと、流れておちてしまうのだろうよ
昨日という表皮を燦然と焼いたのであろう
甘えたがりの香花すら、野原の蒲公英には勝てずに
「ほらご覧よ、空色を。」
褐赤色に陽が落ち、石垣の分かれ道にシャボンを廃した。
その訛り帯びた不幸話の、
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