まどのそと ほしをひろう/あらい
 
流行の作用が強い幽囚の錆びたスマイルを
ボイル仕込の平行四辺形の紙切れいちまいに浸す

足の向くまま気の向くままに しかし思うように動かない

雪を掻くようなバカンスを投げつけ見下げ果てる
呼吸するような毒物に跨がる物の数ではない
おだてられた花がまた曲がる、舐めるような視線
空くじなしの豪快な曇天でした

轢死の数理がくじけた
恋は盲目の下駄箱へ仕舞われたままだ
すらすらの泪かちかちと義歯の水仙の古時計から
饐えた臭いがする
性器のない経験が
隠れて指をさす俗語にばらまくときは
幾つかの喘ぎを零したようだ
古傷をしゃぶって
矢をショールで庇った生前葬にくれてや
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