叔父さんのパスタ/soft_machine
音楽とビールではじまる
叔父さんのパスタはいつまでも出来ない
予告もなしに晴れわたる青に
長閑にニンニク刻めた空き瓶を並べ
とんがらし叩きながら踊る
一旦ソファに沈むといい
泡のようにピアソラに手拍子をくれ
寝言ついで風をいれろと下知る
わたしがあいよと従った
お湯はとっくに沸いていた
上等な薪をどれだけ焚べたか
夢はゆっくりオリーブをあたためた
叔父さんのパスタはいつまでも出来ない
起き上がるところから再開されて
シェリーもいつしかバーボンなのね
フライパンで豚に襲われた午後は
ふわりとしたあぶら身だった
なな色の雨は塩気たっぷりに降りそそぎ
焔にとび散る薫りこそ夏とばかりに叫ぶ
叔父さんのパスタはいつまでも出来ない
遂にザンパノが突っ伏したのに
みんなしておいおい泣いたのに
さいごの芯がいつまでも煮えない
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