指先の輪廻/ホロウ・シカエルボク
 
常も在るがままに受け入れることが出来る唯一の尺度だ、それは俺を高揚させた、そして、その真意を知ることに心血を注ごうと決意させたのだ、存在について語るとき、どこにも縛りのないものにならなければならない―文章としての矛盾はどうか大目に見ておくれ、存在とはつまり、好きなように綴ることが出来る言葉だ、奇妙なテキストに従う必要のないほとばしりだ、高揚の正体はそこにあったのだ、そしてもちろんのこと、そこには上限などもありはしないのだ、俺はそれにとり憑かれた、そうして自分自身に深く潜る術を覚え、そして、知り続けてきた、それは言葉にする必要がなかった、身体に刻まれる種類の知識だった、それは高純度の石炭のように熱を
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