七夕/凪目
き出しにでかくなった
背の高い雑草が、ビルの潰された跡地を、更地いっぱい覆っていて、そんなに生きたいの
そんなに増えてどうするの、と思った
雑草はある日、重機が入って一掃されていた
青、緑、黒、混ぜっ返されて抜かれていく
僕もこの中にいる
なのに身を任せるのは怖い
混ぜっ返されて抜かれる
たぶんこれはもっと簡単なことで、きっとすごく楽しい
じっとしていたらアリにたかられて、左肩かまれてまだいたい
痛いことってないほうがいいのかな
痛みを感じる部位を切除したら楽になれるのかな、自分のどこを摘出したら煩いは癒えたと言えるんだろうか、そんなことばかり考えて、逃げ惑ってきた
でももう、癒えなくても楽に死ねなくても、べつにいい
僕の細胞は毎秒死んでいる
また、毎秒生まれている
僕もそれにならおうと思った、死ねないのは、僕が生きていないからだ、生きることは、痛いことだと思うから
道の柵の向こう、浴衣を着た小さな子どもたちが、祭りのために集まっていた
今年は、晴れてよかったね
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