金網と槌あるところに/
あらい
文字数の足りない最終回を
とりあえず
一年後に弾薬として
気の利いた演奏を
壊したい人質はまだ急須の底
貯金箱の目前まで
句読点を怪文書に隠してはいた
暗黙の被害者たらず
ほじくれば聖書と胡座を与えたい
端末魔の明日は
永久歯と同い年の消毒液を
頬骨とまばらに遺しては
足と腰の忘れ物と習い事を
藍色と薄紅に
破産するために被せた紙
風にも吹かれない
ホロスコープに一匙だけ
小豆を授ける。
〈自由落下の演出は〉
戻る
編
削
Point
(4)