冬の近く/佐々井
いつもの風景画はときに色を変える
人知れず変わりゆくものを私は見てる
代わりゆく色達が、死んでゆく季節なら
枯れ葉を抱いてここで寝よう
あたたかくて、風邪をひいた
見てよ
もっと見てみてよ
またかわってくよ
誰かにかわって
うふふ うふふ って笑うから
コンクリートで出来た天然のすべり台に誘われて
世界最高速度のちょっと下あたりまで
自転車をこぎ出して、両手を広げる、こんなにまで感じてる
人って、飛ぶんだよね
ちょっとコケて、骨を折った
つかめないよ
流れていくんだ
知らないよ
そんなのいらないよ
いつも傍にいるから
いなくなっちゃうんだよ
誰もいない部屋へ帰り
窓に腰掛け、冬の風を感じてる
ああこの匂い、この匂いの中で
ずっと近くにいさせて
ずっと傍にいさせて
どうか
どうか、
叶わぬと知ってても
作 のどあめ
戻る 編 削 Point(0)