パッケージの中でこえをひそめる小人たち/竜門勇気
 

僕はもう曲がっただけの道に
付き合うのは嫌になった
あるとき突然そうなってしまった
誰かと過ごすのが苦痛になったときと同じように

側溝にタイヤが取られたのがわかった
車が大きな手で揺さぶられたようだった
いつも邪魔くさかった合歓の木の枝が
フロントガラスを叩いた
しぬな、と思った

なんの役にも立たない土でできた構造物
うずたかくなった無機物の塊に不純物が混じったもの
そいつが目の前いっぱいに広がっている
カーステが鳴っていた
OUT OF STEP、どうのこうの

フロントガラスの右端が白く濁って
そこから稲妻みたいに光が走った
午前3時、まだ眠りは十
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