名前は/12565
」
「関係あるさ。だって、君の涙を止められるかもしれないしね」
「……」
こいつは一体、どこまで知っているんだろうか。
「君も知っての通り、僕は色々と調べているわけだけど……。その過程で、どうにも分からない事があるんだよね」
「……」
「君の存在だよ。君は僕と会った時から、既に死んでいる人間だった。そして今の姿になる前は、男ではなく女だったという事も分かっていた。でもね……」
そこで一度言葉を切り、再び俺を見据えた。
「君が何者なのか、全くと言っていいほど情報が出てこないんだ」
「どういう意味か分かるかい? まるで、何者かによって意図的に消されたかのように情報が無いんだよ」
「…………」
黙ったまま、男の話を聞いていた。
「例えばそうだね……。君は生前、何処に住んでいたのかな?」
「名前は
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