手紙6/武下愛
はいつもかんがえてしまって、ことばがつまってしまうのに。ことばにすることがかたちとしてのこるのは、ほかでもない。だれかのおかげなのだとおもっています。あなたのみちはいばらです。わたしはちがういみで、いばらのみちをすすんでいます。おたがいのもとめるかたちがおなじであるのは、かわらないのですが。とてもむずかしくかんじています。
であいかたがさいあくだったあなたは、いまなにをしているのかしりません。わたしがわかいころとても、あなたをきずつけたことをもうしわけなく、おもっています。むかしはとんがることが、つよさだとおもっていました。きずつけあうことがあたりまえだと、おもっていたじきでした。かんがえの
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