無音/凪目
 
石は喋るのが下手
本当は石じゃないから
石じゃないのだから
本当は喋れるし動けるはずだと考える
本当はなんなのか確かめるために
体を動かそうとして
うまく動けもしないことがわかる

長い時間の中で、たくさん考える
余計なこと、適切じゃないこと、汗だくのがらくた、禁じられた千の言葉、うず高く折り重なったゴミと罵声
石は自分をいじめるのが好き
自分が嫌いだから
自分をいじめる自分が嫌いだから
息を吸って吐くときにできる
吐瀉と汚泥と不潔な垢に塗れた場所を
空転し続ける
そして冷たく硬いひと塊の想念を編む
なぜあなたは適切に振る舞わないの?
なぜあなたは肝心なことを蔑
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