そしてさんぽへ/soft_machine
最近ね
色っぽいクルマが見られなくなった
ってぼやきながら街路樹が枝を
そっと伐られてた
雨あがりの道すがら
みみずがのたうちながら
通りすぎるさんぽの気配を呼吸していた
なんてやわらかいんだろう
誰だって溺れたくないんだ
換気に手間どるくらいなら
肺腑だって接ぎ合せたいよ
表情だって
いろんなふりを学んできたのだから
くるり廻るたびかおり帯び
フォークに絡めた麺
花の一輪車に乗って
灯台と雲にわたすきざはし
でも近づきすぎてもいけないし
それより離れていかないで
光と影のすき間に落とされたシャッター
鉄道の傍らにあってオーデコロンが過ぎる
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