オリンピック最終回/ゼッケン
たまたま生きて死す
無意味で無価値、なら勝手にやらせてもらう
なにをやっても良い、おれの存在は無意味で無価値だから
他人を喜ばせたい、そう思うことに意味が必要だろうか?
友よ、おれはきみに贈られたものではなく、
奪われたものゆえにきみを愛している
おれは全能の神でもなく、
何でも知っている陰謀論者でもない
だからおれはおれ限定の思い込みに従って動く
おれがすべてを知るまでおれはバカのままだろう
おれがやることはすべて独善である
そしておれはそのことを知っている
おれの独善は偽善でもある
それゆえにそれでも
こわれそうな小さな手をあえて力強く握る
おれが
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