町の噂/soft_machine
 
一瞬で転送される立体はまだよい
心は刷るほど偽りの貌を現す

薄板の下におおきな口がひらき
落ちてくる者を待ち受けるらしいと疑う
本当に扉の向こうではいつも真空が拡がり
きみが出入りするたび起動する者がいるのだ

理由が不明のなみだに
求められるまま説明し
海にまき散らした疑いが
かなしい叫びで
こんな送り方も
おかしいものねと
腕をからめられ
ぼくも岩場に沈むひとりでに
回転する網と
鉄砂とひかりは
仕方によっては罠になる
ひかがみの白い輝きも

花が好きで花屋になれたから
人が好きで人屋にもなれたのか
薪雑把にこしらえ
動く手脚をきつくいましめ
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