六月/soft_machine
 
地平線のむこうに
ひろがるのは茫漠
その水平線から
さらにひろがる
上もなく
下もない
前も後ろもないという宇宙へと
触れているのだね直に
きみは左腕で石腎をつかみ
わたしも右腕で力の限り羽撃く

六月はかたく震えて
あふれる息をとりこむ膜
ちらばる音が行き止まる穴
ふくらみの尖は感情ににぶり
静かにこぼれる
泡だつ銀河
絶えないそよ風の受け帆になって
どうも外は雨らしい
それでも美しいを探そうと
いやがる仔馬を伴う
きみの雲は喰えるか
わたしの鉄は顎か
踏破してきた無名の元素を
他人のあらゆる部位に擬え
線を消したり切ったりが好きな
復元されな
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