夏/soft_machine
夏をたっぷりふくんだ
水、しずかに低下して
胃の腑におちた
文字は部首、さらりと溶解し
鼓膜をつき破る
だるまさん転んだよ
片目つぶって
夏は町をはげしくぶつ夢
まぶしくて、土のにおい
踊りながら、羽ばたく
ころりお池に嵌って
ぐんぐん遡上する
砕氷術を身に纏い
キシキシ咬みつく
わたしの片耳ねらってる
階段の巾が
昨日と違ってる
どうしてもボタンが
数に合わない
あなたたちの
虹彩が同一で
きみを泣かした
線状痕が
同一で
一日
一本
指を食す
七日目に
すべて生えそろう
あぶら臭い空だこと
わきの下で湿すような
こんなに酸素がほしいから
いっこいっこ肺胞を
ぷちぷちしたい夏
戻る 編 削 Point(2)