Kの思い出/番田
。一度、スケボーをしていた姿を駅前で見かけたことはあったような気がする。でも、その姿を成人式では見かけることはなかった。最後に、小学生の頃に彼と遊んだのはいつだったのかも覚えていない。でも、あの夏の日は良く晴れていて、彼のリフティングをしていた姿を僕は確かに見ていたのである。それから、部屋で二人で水を飲んだのだ。彼はその日ボールを蹴り上げることができた回数を、母親に報告していた。そして、これから、サッカークラブにいくのだと言った彼の姿を見送ってから、僕は、いくつかの角を曲がって暗い道を家に帰ったのである。
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