嘘つき/soft_machine
 
嘘つき、って
世界がわたしを、そう呼ばなくなって
嘘をつくのがとてもたのしい

こころも今日も
どこまでもひろがる
わたしはピアノ
憧れの黒鍵
花火を見ている
山のはしで 海のさきで
感じるだけじゃ ものたらない気持ち
あなたの前だと一層、激しく
あふれだした ことば
唇に風、感じたいよ

めざめる空
やさしい味
色あざな血
それら標本する、魂
脳みそのいくらかの余白に居すわる
わたしが 孤独だから 
あなたの 模倣だから
ひたすら 増殖してきた
たてぶえ?
もちろん 好きだわ
気づくよりはやく
消えさってもなお
けっして鏡にうつらないこの姿を
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