うわばみと星座売り/凪目
 
とうとう世界を飲み干しつくし
おもてと裏がひっくり返った
夜の真ん中渇きにあえいで
おのれの尾っぽに喰らいつく
うわばみ
うわばみ
おまえのからだは門になった
無限につながる扉になった
そうしておれはおまえの中で
星詠みをしてくらすのさ
あれはかがみ座、あれがたまご座……
いったん戻って線を引く
今また引いてまた消した
そうしてつないだおれの星座は
鈍くひかって砕け散る
欠片は腸を引っ掻いて
腸は欠片を引っ掻いた
すべるつぶては骨まで溶かされ
真っ赤な海をこだまする
星詠み
星詠み
われわれの血の巡りゆく間に
まばゆい宵はさめるだろう
われわれの血で溺れないうち
永い夜明けはくるだろう……
星座売りはかく語りき!
ぼくは今朝街頭で目のないへびから
こういう話を買って帰った
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