残雪の朝に降る霧雨に似た雨/山人
 
。原因としては圧倒的な経験値の違いによるものだが、こういう世界(あらゆる世界に共通するであろう即、戦力のジャンル)ではすべて結果しかない。そこに個人の経緯や言い訳は一切通用しないし、言い訳を求められることもない。寡黙な現実と寡黙な結果のみが存在する。そして、課長みずからも唯一少ないが経験値の比較的ある私を無言で責めているのがわかる。経験があるとはいっても、年に数回のみなのだが、それでも結果を求められるのだ。
 暗黒期間は確かに暗黒ではあるが、タールのように粘質で息もできないほどではない。この間、自己の、あらゆる研鑽をする期間として制定するべきだろうと思っている。それでスキルが上がるかどうかというのは、六四歳の私では期待は薄いのかもしれない。利益を生まない、黄金ではないかも知れないが、ふさぎ込むだけではそれこそ何も生まれないと思うのである。


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