朝/鷲田
 
地球の上にいるという現実を変えられない

時計がこの部屋に無いことも理由なのかも知れない
身体や心が何かを感じている瞬間というのを
客体的に図ることが出来ないと
感覚は欠けている情念を繊細に取り組んで
想像を拡大させるのかも知れない

イメージがイメージを想像して着色されるように
その色は青にも赤にも黒にも茶色にもなる
単色だけがこの世界を色づけていれば
僕等は喜びもしないし、悲しみもしない
ただ、そんな平坦な感情の起伏の基に僕等は生きていけるのだろうか
秒針を刻む音というのはそう言えば心地がいい

しかし、夢が存在するのが深夜では無く
何故、何時も朝なのだろう

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